人類と虫歯との戦い

人類と虫歯との戦いは、とてつもなく昔からはじまっていたそうです。
200万年以上前の猿人の骨からも、虫歯の痕跡が見つかっていますし、
縄文人も虫歯に罹っていた事が判っています。
そんなに昔からポピュラーな病気だったんですね。

では、虫歯の状態を説明していきます。

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虫歯の始まりは、歯の表面のエナメル質の表層からです。
このような状態を、’CO’ (シーオー)と呼び、Cオブザベーションと
いいます。つまり、観察が必要な虫歯という意味です。
口の中では、脱灰 (ミネラル成分が溶け出す)と
再石灰化 (ミネラル分が沈着する)が繰り返しています。
このバランスが崩れることで虫歯が進行します。
その要件として歯垢内の細菌と汚れに含まれる糖分があります。
飲食後の数十分に細菌が活発化して、歯を溶かす酸を産出します。
食後の歯磨きが重要なのは、このためなのです。

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エナメル質の虫歯が、表層から更に進むと‘C1’と呼ばれます。
このような場合は、細菌感染している所のみを削り、
コンポジットレジンと呼ばれるプラスティックで治します。

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エナメル質の下にある象牙質まで細菌で侵されると、
‘C2’と呼ばれます。このような状態になると、
浅いものは、コンポジットレジンもしくは、
インレー(後に説明します)による修復となります。
深いものは、神経への影響を遮断するために薬剤を塗布して、
セメントで蓋をして、コンポジットレジンもしくは、
インレーによる修復となります。

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象牙質を貫通し、歯髄腔と呼ばれる神経の領域に
虫歯が達してしまうと、神経が細菌感染してしまうため、
神経を除去しなければなりません。
このような処置を ’抜髄’ と呼びます。

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歯髄まで細菌感染してしまい、時間が経つと
歯根の先端の骨を溶かして、膿みの袋が出来ます。
歯ぐきが腫れて痛いといった症状が出る事があります。
‘感染根管治療’と呼ばれる適応になるか、
もっとひどい場合には抜歯の対象になってしまいます。